Quadrophenia - アーカイヴ

かつてあったblogの残滓

震災

さよなら、こむらさき

仙台の繁華街と言えば、ショッピングなら一番町、そして夜の歓楽街は国分町である。 そしていくつもあるラーメン屋だが、特に昔から仙台で夜の〆のラーメンと言えばこむらさきの天下一品ラーメンである。 これは他の天下一品ラーメンとは実はレシピが違って…

帰還

閖上を後にして、仙台へと帰ることにした。 来る時とはまた別の、学生時代に何度も通った道を通り、その変わり果てた風景を見ながら。 貞山堀を越える橋を渡ると、船がその船底を見せて朽ちていた。 閖上の惨状にただただ圧倒され、言葉を無くしていた僕は、…

太陽と戦慄

日和山を下りて、クルマに向かおうとすると、ひとつの破損が激しい建物が目の前にあった。 カーテンの様な布、紐で結ばれたような角材。 随分といっぱいゴミのようなものが建物の屋根に積もっているなぁ。 そんな風に思いながら、その建物にゆっくりと歩いて…

wiped from the map

日和山富主姫神社と書いて、ひよりやまとみぬしひめじんじゃ、と読む。 どうだろう、標高で言うと、恐らく5~6mの小高い丘のようなところで、その 頂上に上ると、周囲を一望できる。 僕もゆっくりと階段を登って頂上に向かう。 (写真は貞山運河事典さんから…

名取市閖上

県道129号線と10号線が交差する五叉路を直進する道には警官が立っていて、クルマを止めていた。 僕は警官を避け、右に折れてそのまま129号線を進み、右手に閖上中学校を見ながらゆっくりとクルマを走らせた。 この辺から先がいわゆる閖上地区だ。 ゆっくり進…

路傍の船

県道129号を東に向かうと数分も走らないうちに絶句する。 目の前に漁船だろうか?船が普通に路肩に佇んでいる。 でも、たまたま最初に出会ったのがこの船というだけで、この後打ち上げられた船は次々と現れる。 勿論、石巻や気仙沼で、もっと大型の船が打ち…

海水と残骸

若林地区の津波の跡地を訪れた後、もう一か所訪れたい場所が残っていた。名取川を渡った反対側、名取市の閖上(ゆりあげ)という地区である。 友人の家もあるし、それに学生の頃、女の子とデートする時や海を見たいににクルマで何度となく訪れた場所である。…

母の愛

実はこの前日、僕の姉は小学生である彼女の娘の同級生のお母さんの葬儀に参加していた。 3人の子を持つその方は、地震当日下の2人とともに車でこのあたりを走っていた。 そこへ津波がやってくるとの報があった。 この一帯は見渡す限り田圃が続くので、逃げて…

狂王の庭

警官が張っていた場所から左右に100mも移動すると、小さな農道のような道がいくつも高速道路の下を潜っている。 そこから海岸側へ入ることはそれほど難しい事ではない。 入ろうとした瞬間、張り紙に気づく。 宮城県警からの告知文である。 当面の間、これか…

爪痕

県道54号線は、前述の様に山形県警が身体を張って止めていた。 なので、そこの正面突破は諦めて、東部有料道路に沿って、名取川方面へ。 バンパーが外れた赤いトヨタ車の残骸があった。 周辺にも家の残骸と思われる木材が散乱している。 何台ものクルマが折…

生と死の境界線

今回、ここから以降の幾つかの文をupすべきかどうかについてしばらく悩んだ。 この文の題名だって不謹慎だと憤る方もいるかもしれない。 ただ、僕らが目を背けようとも、直視しようとも現実は変わらない。 現実を知りたいと思う人には伝えたい。 あと、このb…